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関口恵美
Emi Sekiguchi
素材である楠の丸太のねじれや反った形が子どもの立ち姿に見えたことから、子どもをモチーフに制作をしています。
手が無い状態なのは、子どもの「言いたいのに言えない」気持ちを表しています。恥ずかしいのか、悲しいのか、怒っているのか、寂しいのか、上手く言葉にできない自分の本当の気持ちを隠すように、手もどこかに隠してしまうのです。ポケットの中か、自分の後ろに。
とあるキッカケから世の中のどこかで、大人になれず、誰にも知られず、名前をもらう前に消えてしまった子ども達に祈りのようなものを込めて作る様になりました。自己満足な供養です。彫り上げたものが子どもを守る神様としてのお地蔵さんのようになれば良いなと思っています。
インディアンの考えに「風が命を運び、死と共に魂は風となる」と言うものがあり、この考えを元に子どもが着ているスカートは風に吹かれた様になびかせる事が多いです。
「果物作品について」
果実が「実る」と恋が「実る」と言う、同じ言葉を使うところに、果物たちに恋する乙女の心情を投影したら面白いかなと。思いつきで始めたのがきっかけです。
サクランボや姫リンゴの片目の作品では、「気になるあの人」をひっそりとこっそりと、目で後を追う様なストーカー的な眼差しを送っています。そんな気持ちを甘いあまいケーキの上にのせています。自分の中での「可愛い」ものを具現化しつつ、その「可愛い」の内側には不気味さや鬱々としたモノと、少しの毒を加えています。
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